木の葉猫の隠れ家~yamabukitowa's diary~

大好きなドラマの感想と大阪のことなどを綴ってます

連続テレビ小説「おちょやん」総括感想 終わったわ。。。

こちらも6月に書いた記事。

アップするのを忘れていたので、いまごろだけど。

アップするね。

 

 

おちょやんが終了して、1か月。

 

おちょやん特別編が放送されてた。

ダイジェストの前後編で3時間くらいかな。

 

うちは新聞を取ってないので、当然知らなくて。

偶然テレビをつけたら、おちょやんをやっていて、前編の終わりから後編を見た。

 

母がね。

とっても喜んでた。

大好きだったから。

 

噂によると、秋ごろから午後4時台で再放送されるらしい。

これを母は楽しみにしてる。

 

 

私はといえば……。

よく半年も視聴できたなと思う。。。

 

連続テレビ小説をみたのは何十年ぶりかだった。

半年間、朝15分のドラマを見るのは結構しんどかったよ。

 

一日中、朝ドラの気分を引きずってしまうから。

 

おちょやんの場合は、テルヲにヨシヲに一平と、千代ちゃんの男運が悪くて(苦笑)、一日だけでなく一週間以上引きずることも多かったしね。

 

ドラマの後番組、「あさイチ」の華丸大吉さんのコメントにどんだけ救われたか。

 

 

一緒にドラマを見て、華丸大吉さんの感想を聞けるってほんとにいいよね。

大ファンになったよ。私。

 

 

おちょやん放送後のあさイチを見るまでは、おふたりは双子か兄弟だろうと思ってた。

どっちが華丸さんでどっちが大吉さんかもわからなかったのに。。。

 

 

それと、半年視聴して朝ドラの作り方がよくわかったよ。

 

一週間ごとにテーマが決まっていて、それを15分の5話に分けてお話を作るという作業を見てるのはおもしろかった。

一日15分ではあまり話が進まないけれど、そこにどうやって盛り上がりをつけていくのかとか。

どこくらいのお話を入れ込むのかとか。

火曜か水曜、金曜にアクセントになる話を割り振るのも興味深かった。

 

 

でも、また当分、朝ドラを見ることはないと思う。

これで、一応の卒業だね。

 

 

 

では、ちょっと総括。

 

 

ドラマの最後まで見て、春子の存在が必要だったのか、どうかがわからなかったのね。

千代を支える存在ではあったけれど。

お話を進める上での「都合のいい存在」に思えてリアルじゃなかった気がするの。

 

ただラストシーンで、千代が春子とともに歩いていく後ろ姿を見て。

 

 

幼い千代と大人になった千代の姿をだぶらせて見せたかったのかなあ~と思った。

そういえば、テルヲの死の時も、幼い千代を抱っこした大人の千代が、テルヲの最期を見届けてた。

 

ラストシーンの二人は、一人の千代の人生を描きたかったのかなと。

 

 

幼い千代が親元を離れて歩きだして、やがて世間で「お母ちゃん」と親しみをこめて呼ばれる女優の千代になった。

それをあのふたりの姿で象徴的に描き出しているのかな。

 

 

そこに親の力はないのね。

ひとりで歩きだして…。

あの南河内の竹林でのテルヲとの別れから。

 

「捨てられたんやない!うちがあんたらを捨てたんや!!」

というあの強烈な印象を残した別れから、ひとりぼっちになって。

 

 

岡安で働き、育てられ、京都で女優になって、道頓堀にもどって喜劇をやり、大阪のラジオドラマで一世を風靡した。

 

転がっていって辿り着いた場所、場所で人と出会い、やがて花を開かせた。

誰からも「お母ちゃん」と呼ばれるような大女優になった。

 

 

それは、ひとりぼっちだった幼い千代が、いろんな人との出会いと自身の努力によって到達したもの。

そのことを、あのラストシーンは描いていたのかなと。

 

 

あのラストシーンを描くための、春子だったのかな。。。

そう思うと、あの二人が歩いていく後姿はとても愛おしく感じたわ。。。

 

 

ただ、私生活では家族との縁が薄かった千代が、女優になると「お母ちゃん」とたくさんの人から呼ばれ愛される存在になった。

その大きなギャップはかき消されてしまって、ちょっと残念ではあったかな。。。

 

どんな縁も大切にする、千代がそこにいる。。。そういう結末を見せたかったのかな。

 

 

 

最後に、ドラマに強烈な印象をのこした登場人物を挙げておくね。

 

 

まずは、テルヲ(トータス松本)。

この人をいれないとね。

まあ、すごいお父ちゃんだったね。連ドラ史上最悪の父親だと華丸大吉さんも言ってたよ。

あんなド迫力の父親のエピソード。

ほんとにもう、朝から心を揺さぶられたよ。。。

千代はテルヲを受け入れようとはしなかった。でも、「しっかりしい!!!」と𠮟りつけた。

あれは精一杯の優しさだったね。

キレイ事で終わらせなかったことが良かった。納得できたわ。

そんなテルヲのエピソードも後半の一平のエピソードで上書きされてしまったわね。。。(笑)

 

 

一平の母(板谷由夏)。

たった1話の登場だったけど、ものすごくインパクトがあった。

母親として、もう一度、きっちり一平と縁を切る作業は相当苦しかっただろう。

母親の冷たい言葉を聞いた千代が怒って、飛び掛かっていく様子がすごかった。

怒りで感情があふれ出て、言葉にできない。

喘ぎながらなんとか言い返し、相手の頬に平手を。。。

母親も負けじと千代の頬を叩いて。。。

もう見ているこちらは固唾をのんで見守ってしまったわ。

 

女優さん達の迫真の演技、素晴らしかった。忘れられないシーンのひとつになった。

 

 

 

それから、千代の継母、栗子(宮澤エマ)。

老け役が圧巻だった。

後半の大事な役どころ、見事に演じきった。

舞台の女優さんなんだね。普段から幅広い年齢を演じてるのかも。

仕草とか、呼吸とか、歩き方とか、中高年のそれだったわ。

他のドラマでも登場されるのを待ってる。。。

 

陰ながら応援してくれていたのが栗子だったなんて。驚いたね。

けれど、この栗子の存在はとてもリアルだった。

 

幼い千代を実家から放り出して奉公に出したのが、この栗子

そして、千代が一番苦しい時に救いの手を差し伸べたのも、この栗子

お互いにそれぞれの人生で苦労を重ねることにより、晩年には寄り添うように共にいる存在に。

あり得るなあ~と。

 

ふと思った。

栗子は千代を奉公に出したけれど、そのとき、奉公先に岡安を選んでいたのかも。

テルヲは何も良いことはしなかったけれど、栗子は彼の残した唯一のまだ救いのある縁だったのかもしれないなと。。。

そんなこと言ったら、千代も栗子も、ウゲ~~~ってイヤな顔をしそうだけれど。

 

 

 

あと、幼い千代(毎田暖乃)、ヨシヲ(倉悠貴)、千之助(星田英利)、寛治(前田旺史郎)。

大好きだったなあ~。

しっかり者の幼い千代。

ヨシヲは哀しい人生を送ってしまった。

千代とヨシヲの別れのシーンは泣けたわ。バンバン千代の寂しい思いがこちらに伝わってきた。

最後は寛治を助けるなんて、これも切ない話だったね。

千之助はやっぱり芸人さんだけあって、劇中の舞台では大いに笑わせてくれた。マットン婆さん。。。

お婆さん役がほんとに似合う。

寛治は意外に生意気でクセのある男の子だったね。千代だから真っ当な方へ引っ張れたのかもしれない。

 

この4人は母も特にお気に入りで、とても楽しくドラマを見てた。

なんど役名を聞かされたか。。。

「寛治はもう出てこないのかしら…ヨシヲはもう出てこないのかしら…」という風に。。。

 

 

そして、もうひとり。

当郎(塚地武雅)。

千代と栗子のおうちに上がり込んで、居間のド真ん中でみんなを大いに笑わせてた姿がなんともホッコリした。

 

「あそこに見えてるあれ、おいしそうやなあ~。あれ、食べたいなあ~」

人んちの水屋を指さして、そこに見える食べ物を食べたいという、かわいらしい厚かましさ。(笑)

人なつっこくて愛嬌満点。

笑わせて、和ませて、ぐいぐい心の中に踏み込んでくる。

絶対に強引だとは感じさせないやりとり。

ここら辺は、お互いの表情を見て阿吽の呼吸。

なんとも大阪らしい。たのしくて元気になった。

大好きだったなあ。。。

 

 

私のレビューはいつも主人公を忘れがち。。。

 

 

千代役の杉咲花さん。

ほんとに熱演されてた。演技派だよね。

難しいことを簡単にやってのけてしまう。

 

それとなんといっても、大阪弁が完璧だった。完璧!

努力は相当なものだったと思う。すごい女優さんだよ。

 

 

あと、一平役の成田凌さん。

今回の役はちょっと…可哀想だったなあ。

途中まで千代を守ってくれる幼馴染のような存在だったから、終盤の流れは許せなかったわ。

次に良い役をやって今回のひどい印象を払拭してほしい。

舞台での老け役が意外とうまかった。

 

 

では、名残惜しいけれど、おちょやん話はここまでに。

 

 

よくぞ、こんな長いレビューを読んでくださいました。

 

まことに、おおきに。

 

おおきに、やで。。。